第一歩
- Keikoic
- 2017年8月13日
- 読了時間: 3分

先月の始めに、アパートを探しに来た。大学が始まるのは8月下旬。ビザで入国できるのは、早くてその1ヶ月前から。まだ観光客としてしか入国できないが、夏は人が動く=不動産市場が動く時期なので、いい物件をゲットするために、居ても立ってもいられずに。
ニューヨークの住宅事情はというと、ご存知のとおり、よくない。高いし、狭いし、設備は古い。誰もが何かしら悩ましい事情を訴える。(よほどお金持ちでなければ。)そして、事前に直接聞いた相手からは、「いい物件は市場に出たら一瞬でなくなるから、現地で自分の目で見て気に入ったら即決しなくてはダメ!」と口を揃えて言われ、内心焦っていたし、住処が決まるまではやはり不安だった。
ニューヨーク不動産事情については言いたいことは山ほどあるので別の機会にするとして、その「即決」に必要なのが、資力と信用。マンハッタンで、外国人、しかも学生が、一人でアパートを借りるには様々な壁がある。大家は、当然、しっかりた収入があり、身元のしっかりした、つまり家賃の取りっぱぐれがないテナントに貸したいのだ。こちらとしては即決でも、「契約」まで持ち込まないと、“いい物件”は直ぐに他人の手に落ちてしまう。結局、契約時に契約期間分の家賃を前払いする手しかない。
アパートを借りるために現金が今すぐ必要ってことで、何はともあれまず、現地で銀行口座を開くことが先決。アメリカでは相変わらず流通している「小切手」の発行、日々の買い物に欠かさないdebitカード、日本でいうところの公共料金の支払い等、やはりアメリカの銀行口座がないと、生活に支障をきたす。
しかし、7月のニューヨークは本当に暑い。日差しが強いだけでなく、湿度も高く、人の密度とあの街のノイズも体感温度をさらに上げる。大汗を拭いながら駆け込んだのは、青いファサードのチェイス銀行!マンハッタンを歩くと、至る所に支店がある。(おそらく、いちばん多い。)さすがに銀行だけあって、対応は“ちゃんと”してる。ニューヨークで、きちんと接客されると、心から嬉しい。
対応してくれた黒人男性の銀行員は、私が通りの向かいの大学に通うためにやって来た学生だと知ると、”Do you like it here?”と、お決まりの言葉をかける。暑さに参っていたのと、こっちに来てからの面倒な雑用に疲れていたのか、”I don’ know…”と不満混じりに答えると、相手は“Don’t worry, soon you’re gonna like it.”と、自信たっぷりに返してきた。ふむ。そういうことなんでしょう。そして、最後に”Welcome to New York.”と窓口で締めてくれた。
なんやこれ!かっこいいなー。モーガン・フリーマンを思わせる口調のおじさん銀行員の、とっても定番の一言に、じんと来てしまった(涙)。
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